「子どものこころをまんなかに」と題して、精神科医の山登敬之先生と対談をやろうと思いつきました。『極楽パーティ』というサイトのコンテンツになるわけですが、基本的には「これからの時代を生きるためには、こころのことをしっかりと考えておきたい」という思いがあります。
新型コロナが発生した時代、世のなかにはデジタルという新しい概念があり、さまざまなガジェットがあり、人と直接会わないことが当たり前になり……と、これまでとはまったく違う世界が、目の前に広がりました。さて、これから先、どうやって生きていくのか? と、考えたとき、改めて「子どものこころ」に再注目してみようと考えたのです。
子どものことを知るというより、「子どものこころ」で社会を見てみようという気分です。たとえて言うと「子どものこころ」をまんなかに置いて、そこに360度カメラを据えつけると、どんな風景が見えるのか——そんな考察です。
山登敬之先生とは、大学時代から知り合いです。社会人になってからはあまり交流はなかったのですが、10年ほど前に、山登さんに誘われて社会人演劇みたいなことをやりはじめ……精神医学とか心理学を熱く語ったこともないのですが、2021年から山登さんが「明治大学 子どものこころクリニック」の院長になったタイミングもあり、登場してもらうことにしました。
精神科医の山登敬之先生の監修で、子どもの精神医学について論じる、なんて仰々しい話ではありませんし、そんなつもりもないのです。あくまで「子どものこころをまんなかに」というテーマで、先生と雑談をしつつ、私が考察を深めていく——子育て論というより生きかたや考えかたの提示であり、これからの文化論になるといいなぁとは思っています。話はリモートでおこないました。私のくだらない考察と質問に、山登先生が答えるという形式で話は進んでいきます。